糖質制限について、皆さまにお伝えしてきた当コラムも今回で最終回となります。そこで、今回は、まとめとして糖質制限を行う上での注意点を挙げさせていただきます。

これまでの当コラムを読んでいただいた方は理解されていると思いますが、糖質制限食は、「単純に糖質を食べないようにすることではない」ということがとても重要なポイントです。これを理解せずに行うと、カロリー不足となり、急激に痩せすぎて筋力や体力の低下を引き起こしてしまいます。

また、前回お伝えしたように、通常の約２倍となるたんぱく質を摂取するためには、倍量のおかずを食べる必要があります。ですから、たとえ理論を理解されていても、それほどの量を食べることが難しい方も、同様にカロリー不足に陥ります。こういったことは特に、高齢者や女性に多く見られます。

その際の対処法としては、間食に果物やナッツ類を食べるようにすることで、カロリー不足を補うことができます。
果物に含まれる糖質には、果糖が多く含まれています。血糖値を上げるブドウ糖の量は比較的少ないため、同じ量の糖質をパンやごはんから摂取した場合に比べて、血糖値の上昇を抑えられるといわれています。それ以外の理由として、ビタミンや酵素を含んでいることも挙げられます。
また、アーモンドやクルミなどのナッツ類は、必須脂肪酸であるα‐リノレン酸や抗酸化作用のあるビタミンＥを多く含んでいるため、どちらもおすすめの食材です。