血液から見える健康
-第8回 インスリン-他にもある糖尿病の検査
インスリン(IRI)検査でわかること
インスリン検査には、空腹時に測定する場合と前回のコラムで紹介した経口ブドウ糖負荷試験で血糖値・尿糖値に加えて血中インスリン値も測定するという場合があります。
空腹時インスリン検査でわかること
この検査では、検査値によって糖尿病の原因となっていること、糖尿病のタイプを推定することができます。
経口ブドウ糖負荷試験で血中インスリン値を検査してわかること
この検査では、血糖の変動に対してインスリンがどのように反応しているかを見ることができます。
健康な人の場合、ブドウ糖負荷後30分の早期に血糖の上昇に素早く反応してインスリンが十分に分泌され、負荷後60分から負荷後120分までインスリン分泌は持続し、正常域の血糖に戻ります。
ところが2型糖尿病の人の場合は、ブドウ糖負荷後30分より遅れてインスリンが分泌され、インスリンの分泌量が不足したり、インスリンの作用が鈍い(インスリン抵抗性)などにより負荷後60分から負荷後120分まで高血糖状態が持続します。
2型糖尿病の場合、各時点の血糖とインスリンの変動から、インスリン分泌のタイミングが遅いのか、インスリンの分泌不足なのか、インスリンの作用が鈍いのか推定することができます。