糖尿病のあれこれ
-第1回 糖尿病と歴史
20世紀、糖尿病治療薬が登場
いずれにせよ、当時は病気の原因や治療法がまったく分かりませんので、不安なままに、病気が進行していったでしょうが、現在は、多くの糖尿病に関する研究の結果、詳しいことが分かっており、決して恐い病気ではありません。
先程少し話がでてきたインスリンは、1921年に抽出に成功し、糖尿病の治療薬として使われるようになりました。糖尿病の治療に飲み薬が登場するようになったのは、さらに後の事です。その後、様々な研究開発を経て、現在では、糖尿病治療薬としてたくさんの種類が製造されるようになりました。治療を受けている患者さんの中には、1種類の薬を飲んでいる方もいれば、3~4種類の糖尿病薬を使っている方もおられるでしょう。
今回は、歴史を交えて糖尿病の話をしました。これからも、糖尿病をいろんな角度から見てお話をしていきたいと思います。
著者プロフィール:石川一彦(医師)
1992年大阪大学医学部卒業。大阪大学医学部附属病院、国立大阪病院、国立循環器病センター勤務、米国Yale大学留学等を経て、2005年より医療法人平心会 大阪治験病院に勤務。森ノ宮医療大学客員教授。専門分野は循環器内科、総合内科。