糖尿病腎症を知る!
-第3回 早期発見のために
糖尿病腎症、早期発見の重要性
従来、糖尿病腎症は一度出現すると治療を行っても改善方向にはならないと考えられていました。しかし最近、あるレベルまでであれば、治療をしっかり行うことで寛解・退縮といった、いわゆる病態の改善がみられることがわかってきました。この「あるレベル」というのは、断定はできませんが、一般的には糖尿病腎症病期分類の第2期~第3期Aくらいと考えられています。
逆に、これ以上病期が進んでしまってからでは改善は難しく、治療の主眼が病状の進行予防、合併症対策が中心になってきます。そのため、より早期の段階で腎症の有無を診断し、病期に合った治療を行うことが重要なのです。
一般的に腎症などの合併症が出現するのは、糖尿病を発症してから数年が経過してからのことです。しかし、糖尿病になっていることを知らずに過ごし、糖尿病と診断された時点で、実は糖尿病を発症してから既に長期間経過していたという場合も多くみられます。
ですから、糖尿病と診断された患者さんにとって、腎症を含めた合併症の有無を調べることは、大変重要なことです。腎症のチェックは、尿、血液、画像検査で検査することができます。