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スマートダイエットで行こう

スマートダイエットで行こう

-第5回 糖尿病予防の運動

運動を楽しもう! エネルギー消費量を増やそう!

運動の効果を確かなものにしたい場合には、やや高めの強度の運動を10秒程度~数分でも含めながら時間をかけて行うことが望ましいです。そのためには、運動技術の習熟(習得)を目指すとよいでしょう。

技術が向上すると運動が楽しくなり、自然と時間をかけて行うようになります。技術の向上には、持久力・筋力(パワー)・柔軟性などの体力と豊富な経験が必要になってきます。仲間とともに運動を大いにエンジョイする術を見つけることが糖尿病の予防や発症時期の遅延に効果的といえます。

エネルギー消費量は、運動量(強度× 時間× 頻度(×期間))で決まります。ところが、ほとんどの肥満者は低強度・短時間・少頻度を選択してしまいます。
エネルギー消費量を増やすためには、
(1)できるだけ時間を長くする
(2)一過性に強度を高める(20秒~数分でもよい)
(3)強度を高めるとともに回数を多くする
ことです。

マラソン大会に出場して記録更新を狙うような人には(1)(2)(3)すべての選択が必須ですが、体重が重く、血圧や血糖の高いケースが含まれやすい肥満者には、特に取り組み初期はどれもお勧めできません。

しかし長期的視点に立った場合は、たとえ虚血性心疾患を有する人であっても運動禁忌令が出ていない限りは、徐々に(1)への移行を、そして慣れてきたら個人に合わせて(2)や(3)の選択も可能となります。


その主な理由は、加齢に伴う体力の不可避的な衰退の速度を減少させ、体力の増進によってもたらされる運動能力へのプラス効果を実感できるメリットが生まれることにあります。

何よりも体力が回復することで、生きる意欲が保持されます。長期に亘って肥満を防止するために、また減量が成功した人ならリバウンドを招かないために、スポーツやレクリエーションそれ自体を大いに楽しむことにつきるのです。

 

著者プロフィール:田中 喜代次(筑波大学大学院 人間総合科学研究科 スポーツ医学 教授)
1983年に肥満研究を、また1990年より民間医療機関にて虚血性心疾患・高血圧症など循環器疾患に対する院内運動療法をはじめ、現在も継続中。3ヵ月で体脂肪-8kg、ウエスト-8cm、活力年齢8歳の若返り効果を実現する生活習慣予防事業「スマートダイエット」は、好評を博している。2008年、中高年者の運動プログラム作成の功績に対して、秩父宮記念スポーツ医科学賞を受賞。2009年、筑波大学ベストファカルティメンバー賞を受賞。

 

 

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