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スマートダイエットで行こう

スマートダイエットで行こう

-第5回 糖尿病予防の運動

糖尿病予防&脱出のために


前回から読む)
活力年齢®(vitality age)、それは暦の年齢とは別の、その人がどのくらい元気で・健康で・老化している/いないかを示す学術指標です。
 



糖尿病(特に2型糖尿病)の特徴の一つに、インスリン抵抗性があげられます。インスリン抵抗性は、高インスリン血症や一酸化窒素(NO)の合成不全を随伴し、高血圧症や脂質異常症(高脂血症)、冠動脈硬化症などを招くことが知られています。

一方、運動の日常化や運動療法は、食生活の改善や食事療法とともに、インスリン抵抗性の改善に非常に効果的であることが古くから明らかにされています。このインスリン抵抗性の改善を通して血糖の上昇が抑制されるため、糖尿病の一次予防や糖尿病からの脱出が図られると考えられています。

また運動は、肥満や脂質異常症そして高血圧症などの他の生活習慣病やメタボリックシンドロームの一次予防のためにも広く推奨されています。

運動の主な目的は、血流の促進(骨格筋への再配分:安静時に比べて2~10倍)、骨格筋内での糖や脂肪の消費、そしてそれらの相乗効果としての血液検査値の改善などですから、これまで一般的に有酸素性運動(低~中強度で20分以上の運動)が推奨されてきました。
最近では、筋骨格系の機能を保持し、食事制限に伴う筋肉や骨の減少を防止する意味で、たんぱく質(アミノ酸)の摂取とともに、レジスタンス系運動(筋力運動)を併用することの意義が唱えられるようになってきています。


【運動の組み合わせ】

インスリン抵抗性の改善やエネルギー消費量の増大のため、かつ傷害や疲労を招かず長期的に継続していくために望ましい運動は、「有酸素性運動+レジスタンス系運動+ストレッチ系運動」の組み合わせです。

(1)有酸素性運動(全身持久性運動)
ウォーキング、ジョギング、エアロビックダンス、アクアビクス、卓球、テニス、そのほかケガをするリスクの低い各種レクレーションの中から1~3種類を選んで実践しましょう。

(2)レジスタンス系運動(筋力運動)
自重付加トレーニング(シットアップ、プッシュアップ、スクワット、ランジ、アームレッグクロスレイズ、ニーチェストなど)、またはダンベル運動、ゴムバンド運動、チューブ運動、筋力マシン運動などから選択しましょう。

(3)ストレッチ系運動
ストレッチ、ヨガ、ピラティス、コアトレーニングなどを運動前と運動後にやること。特に運動後には入念に、必ず行いましょう。




【運動時の注意点】

膝関節炎や股関節痛・腰痛経験のある人: 椅座位での運動や水中運動を優先し、筋肉の補強としてレジスタンス系運動を取り入れる
ペースメーカーを埋め込んでいる人: 球技系の運動(野球、テニス、卓球、バレーボール、バスケットボールなど)は避ける
狭心痛を来す恐れのある人: 屋内で行い環境温度を適度に保つよう留意する


【運動の強度】

運動導入期: 低強度(散歩~ウォーキング)
運動促進期: 低~中強度(散歩~やや速めのウォーキング)
運動習慣期: 低~高強度(散歩~速歩、人によってはジョギング)


【運動の時間】

運動導入期: 1日に10~30分程度、週に30~120分程度
運動促進期: 1日に20~60分程度、週に120~240分程度
(20~30分を1日2~3回にわけてもよい)
運動習慣期: 1日に30~90分程度、週に180~420分程度
(ハイキングや登山などでは時間が長くなる)


【実践する時間帯】

時間帯によって運動中のエネルギー消費に多少の違いがありますが、原則的には個人の生活リズムにあわせて、時間帯を設定するのがお勧めです。ただし、個人の状態・体調によって、留意すべきことや時間帯が異なります。

早朝空腹時: 体調の良い場合に限る。低血糖や早朝高血圧を来す恐れのある人、また運動時に不整脈の出やすい人は慎重な取り組みが必要
朝食後: 大多数の人に勧められる
午後~夕方: 理想の時間帯
夕食後: 理想の時間帯

食事との兼ね合い: 食後2~3時間がよいが、やり方によっては食後や食前でもよい

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