スマートダイエットで行こう
-第6回 効果的な運動の常識が変わる?-その1
パラダイム転換-その1
(前回から読む)
活力年齢®(vitality age)、それは暦の年齢とは別の、その人がどのくらい元気で・健康か(老化している/いないか)を示す学術指標です。
パラダイム転換とは、誰もが「こうあるべきだ」「こういうものだ」と考えていることに対して、疑問を投げかけ、考え方を見直すことです。
例えば、“運動中には血圧をチェックするべき”とか“運動中の心拍数は一定水準を超えてはならない”といったことは、医師の大多数が常識(当然、問題無し)としていることです。このような“常識・通説”を見直して修正を加えることです。
それでは、ここでこれまで運動をする上で常識だと考えられていたことを挙げてみましょう。
皆さんは、これらについてどう思いますか?それでは、ひとつずつ見ていきましょう。
(1)脂肪燃焼効率に着目した指導は重要か? -答え:重要とは言えない
脂肪燃焼効率に着目した運動というのは、低めの強度の運動を時間をかけてすることで脂肪の燃焼効率を高めるというものです。
近年では、この「運動中の脂肪燃焼効率」よりも、「運動中に利用される総エネルギー消費量の大小」が、肥満や糖尿病の予防・改善に効果的だと考えられるようになってきました。
つまり、効果的な運動療法は脂肪燃焼効率にこだわること以上に、運動中にできる限り総エネルギー消費量を大きくすることにあるのです。
【総エネルギー消費量を大きくするために】
●日常生活の中でこまめに動く
●徐々に運動強度を上げ、かつ運動時間を延ばす
●趣味のスポーツを見つけて仲間とともに大いに楽しむ
ことが挙げられます。このような工夫で、運動量を確保することが重要です。
例えば、
●週に150分程度の中強度の運動×5Kcal/分=750Kcal
●週に420分程度の身体活動×3Kcal/分=1,260Kcal
これで週に合計で2,010Kcalの運動量を確保することができます。
1週間に運動と身体活動で消費するエネルギー消費量は、1日3食で摂るエネルギー摂取量が同じくらいになると、糖尿病などの生活習慣病を防止しやすいと言えます。