スマートダイエットで行こう
-第6回 効果的な運動の常識が変わる?-その1
パラダイム転換-その3
(3)科学的な運動処方 vs. 楽しさ優先の運動実践 重要なのは?-答え:後者のことも
運動療法では、生活習慣や運動の嗜好、合併症の有無などを考慮し、以下の項目をチェックして指導します。
加齢に伴う基礎代謝量の低下は程度の違いがあるにせよ、誰にでもあることで避けられません。これに対抗するには、就労中の身体活動や自宅での身体活動を活発にすることが長期的にみれば有効です。
【日常生活の中で工夫すること】
●自宅から駅までの移動:車を自転車に、自転車を徒歩に変える
●駅から駅までの移動:1駅手前で降りて徒歩で補う
●社内など就労時間帯:エレベータやエスカレータの利用を制限し階段歩行に変える
●休み時間やトイレタイム:スクワットやプッシュアップを取り入れる
●入浴前後:レジスタンス運動を行う
ただし、これだけでは十分とは言えませんので、積極的に運動量を増やす必要があります。
そして、継続が大切ですので、そのためにも運動に楽しみを見いだせるような、例えばレジャー感覚のサイクリング・ハイキングや、第4回でもご紹介したボーリングのように“楽しみ優先”の運動が、ときには効果的であると言えるのです。
著者プロフィール:田中 喜代次(筑波大学大学院 人間総合科学研究科 スポーツ医学 教授)
1983年に肥満研究を、また1990年より民間医療機関にて虚血性心疾患・高血圧症など循環器疾患に対する院内運動療法をはじめ、現在も継続中。3ヵ月で体脂肪-8kg、ウエスト-8cm、活力年齢8歳の若返り効果を実現する生活習慣予防事業「スマートダイエット」は、好評を博している。2008年、中高年者の運動プログラム作成の功績に対して、秩父宮記念スポーツ医科学賞を受賞。2009年、筑波大学ベストファカルティメンバー賞を受賞。