スマートダイエットで行こう
-第7回 効果的な運動の常識が変わる?-その2
パラダイム転換-その4
(前回から読む)
活力年齢®(vitality age)、それは暦の年齢とは別の、その人がどのくらい元気で・健康か(老化している/いないか)を示す学術指標です。
パラダイム転換とは、誰もが「こうあるべきだ」「こういうものだ」と考えていることに対して、疑問を投げかけ、考え方を見直すことです。
前回に続いて、これまで運動をする上で常識だと考えられていたことを挙げてみます。皆さんは、これらについてどう思いますか?
(4)無酸素運動は避けた方がよい? -答え:神経質にならなくても大丈夫
有酸素運動が有用だと主張するあまり、「無酸素運動の種目は禁止」といった思い込みによる極端なメッセージは非現実的です。駅の階段を全力で駆け上がる、縄跳びで3回旋を連続10回やる、走り幅跳びで競い合う、25mを潜水しながら全力で泳ぐ、といった運動が無酸素運動の代表例です。
しかしこういった運動は、一般に疾患の有無にかかわらず、ほとんどの人がやらないのが普通でしょう(一方で疾患があっても、職業として、あるいはマスターズアスリートとして医師の忠告を横においてやり続ける人は希にいることも事実ですが……)。
心拍数がAT水準の強度を超えたから、エネルギー産生系が直ちに有酸素から無酸素運動に切り替わるということでは決してないのです(ATとは、前回も触れましたが、軽い運動から運動の強さが徐々に増していくときに、無酸素運動に切り替わる転換点となる運動強度のレベルのことです)。
特に指導者が導く運動教室では有酸素運動のはずですから、途中で強度が少し上昇したからといって無酸素運動に変わるということはありえないのです。どのような運動であっても、有酸素運動と無酸素運動の混合型で、そのほとんどは有酸素運動が主体になっていることを理解しましょう。