糖尿病のあれこれ
-第2回 肥満だけが原因じゃない
さまざまな糖尿病の原因
糖尿病ってどんな病気なのか、みなさんそれぞれのイメージをお持ちだと思います。おそらく多くの方は、食べ過ぎで肥満になり、血糖値が上昇して、動脈硬化などの病気になる、といった感じを想像されているでしょう。
もちろん食べ過ぎや肥満で糖尿病になる患者さんもたくさんいますが、他にも実に多様なタイプの方が存在します。
毎日、たくさんの糖尿病患者さんを診察しますが、やはり高齢化社会ということで、特に食べ過ぎることもなく体重も平均に近いが、加齢とともに糖尿病を発症したという高齢の患者さんが多いです。また、中年の方で、結構やせているのに糖尿病になった、という人も。
テレビなんかでは、メタボリックという言葉が一人歩きし、肥満=糖尿病という印象が強いのですが、決してそんな単純な話ではないようです。
おどかすつもりはないですが、やはり症状や体重だけで自己判断するのではなく、血液検査などの健康診断を定期的に受けてください。糖尿病にかぎらず、病気ってほんとうに複雑で多種多様なのです。糖尿病や高血圧のように原因がはっきりせず、患者数が多い病気では特に。
幸い糖尿病は、他の病気に比べて診断が簡単で、しかも短時間で判断がつきます。治療の面も相当確立されていますので、糖尿病と診断されたからといって、いたずらに悲観する事もありません。
ただし、暴飲暴食は、当然糖尿病になりやすくなりますので、ご注意をお願いします。