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[糖尿病・食事対策] 食べたもので体はできる!

[糖尿病・食事対策] 食べたもので体はできる!

-第8回 朝食抜きは、肥満への近道

朝食を抜かないための、ひと工夫

スポーツ選手たちに毎日適正な量の朝食をしっかり食べてもらおうと、私たちスタッフもいろいろと策を考えます。

ある日本代表チームの場合は、朝食時間の30分前に玄関前に集合し散歩をします。散歩といっても、宿舎であるホテルのまわりを3周程度です。でもそれを行うと、まず朝食前にパラパラと選手やスタッフが集まってくるので、その度に「おはようございます」と何度も挨拶をすることになります。さらに少しの距離でも歩くことで、朝の空気を吸い、カラダに刺激が入ります。こうしたことによって、気持ちよく朝食が食べられるようになったりするのです。

また、あるサッカーチームの寮の場合は、朝食時間の15分前に選手が本をもって集まります。本は小説でも、雑誌、マンガ、教科書(!)でもかまいません。とにかく、なんでもいいから本を読む。食べる前に読書の時間というのを設けたりします。
この他にも、朝食前に英単語のテストをしているチームもありました。

朝食前の散歩同様に、食べる前にこうしたワンクッションをおくことで、目が覚めて食事をする態勢が整うのです。

もちろん、朝食の大切さや欠食の怖さなどの栄養の理論を選手が学ぶことで、意識をもつことも欠食しない行動につながります。

私は、選手によく言うのですが、「朝、苦手で起きられないから」とか「時間がないから」といって言い訳をすれば、結局何も変わりません。
中には強くなりたいからと一生懸命練習を行うのに、食事は頑張りすぎるとストレスになるからといって逃げようとする選手もいます。

でもそれだともったいない。せっかくの練習が、効率の悪いものになってしまうのです。ですから選手には、練習を頑張るように、食事もあきらめずに取り組む努力をしようと促します。


皆さんは、いかがでしょうか。1日2食だという方には、「欠食することで肥満になりやすい」ことを踏まえて、食事を3食摂る意識をもっていただきたいものです。食事はカロリーだけではありません。食べる回数や時間も大切なのです。

 

著者プロフィール:川端理香(管理栄養士/プロスポーツ栄養士)
WATSONIA(ワトソニア)代表。日本オリンピック委員会強化スタッフ、チーフ管理栄養士として2004年アテネオリンピックでは水泳の北島康介選手や全日本女子バレーボールチームを、2008年北京オリンピックでは全日本男子バレーボールチームをサポート。浦和レッズや東京ヴェルディ1969などのJリーグサッカーチームや、個人選手の栄養・食事指導のほか、「カラダが喜ぶ毎日ごはん(エクサボディ)」「10日間カンタンバランスメニュー(エクサボディ)」「勝てるカラダをつくる!10代スポーツ選手の栄養と食事(大泉書店)」など書籍の監修、食育をテーマに学校や地域での講演・セミナーも行う。現在、東日本大震災復興支援の一環として「部活をする子どもたちを応援しようプロジェクト」で協力をよびかけている。 公式ブログ[Happy Foods]

 

 

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