[糖尿病・食事対策] 食べたもので体はできる!
-第14回 気になる?コレステロール
食べ物に含まれるコレステロール
今回は、気になっている方も多いと思われるコレステロールについてです。コレステロールは体に悪いとか、高いとダメだというイメージを持たれている方も多いかと思います。でもそうとは限らないのです。
コレステロールには、食べ物に含まれているコレステロールと、血液検査で示されるコレステロールとがあります。
これらが一緒になってしまって誤解を招くようですので、まずはそこを整理しましょう。
まず、食べ物に含まれているコレステロールについてです。
1日のコレステロール摂取量は300mg程度にするよう薦められています。
コレステロールは、卵やレバー、肉類などに多く含まれています。具体的にどの位含まれているかというと、卵1個には235mg。鶏や豚のレバー50g(1食分)には150mg前後。バラ肉やサーロインなどの肉類100g(1食分)には50~100mg程度含まれています。
よく「卵は1日1個まで」とか「レバーや魚の肝やイクラなどはコレステロールが多いから食べ過ぎないように」など言われますが、間違いではないのです。
ただ、卵の場合は確かにコレステロールを多く含むのですが、卵黄にはコレステロールを下げる効果のある栄養素が含まれます。この栄養素の働きによって、食べた分すべてが吸収されるわけではないことがわかっています。ですから、もちろん食べ過ぎは禁物ですが、過度に卵を怖がる必要はないのです。
また意外なところでは、ワカサギやウナギ、スルメなどの魚介類にも多く含まれています。魚介類は高たんぱく低脂肪で低エネルギーのものが多いので、糖尿病を気にされている方はよく食べているかと思います。
「え、コレステロールが多いの?」と心配になった方もいらっしゃるかもしれませんが、魚介類の身に含まれるタウリンには動脈硬化を予防する効果があります。ですからコレステロールが多い魚介類でも、適量ならば食べても良いのです。
スポーツ選手の場合は、実は食事のコレステロールはあまり気にしていません。練習量が多いためエネルギーを消耗しますし、相手に負けないための強い体作り、筋肉や骨や血液などを強化する必要があります。それにはたんぱく質は欠かせない栄養素ですから、コレステロールが多くとも、こうした食品も適宜取り入れて体作りをしているのです。