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[糖尿病・食事対策] 食べたもので体はできる!

[糖尿病・食事対策] 食べたもので体はできる!

-第14回 気になる?コレステロール

食べ物に含まれる、3種類の脂肪酸

まず、魚以外の肉などの動物性の脂肪に多く含まれているのが「飽和脂肪酸」。
実はこの脂肪酸こそがLDLコレステロールを増加させてしまう、悪影響のある脂肪酸なのです。肉や卵など摂りすぎないようにと言われているのは、この脂肪酸の摂り過ぎによるLDLコレステロールを心配してのこと。

つぎに「不飽和脂肪酸」。これは体に良いイメージのあるオリーブオイルやごま油に含まれています。この脂肪酸はコレステロール値を下げる働きがあるので、毎日の食事に取り入れることが薦められています。
もちろん摂り過ぎは禁物ですが、例えばサラダに市販のドレッシングをかけるのではなく、オリーブオイルとぎゅっと絞ったレモン、そして塩を少々ふりかけて食べたりすることは、トップアスリートも実践している食べ方です。

そして「多価不飽和脂肪酸」。これは魚に多く含まれる脂で、サバやサンマなどの青背魚に多く含まれています。頭を良くする成分として知られているDHA、EPAなどがこれにあたります。こちらもLDLコレステロール値を下げる働きがあります。

ここまでを読んで、「じゃあ、肉などの動物性脂肪は摂らない方が良いのね」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。
飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸は、3:4:3の割合で摂ることが理想とされています。どれかを「まったく摂らない」ではダメなのです。そのあたりを注意して食事をされると良いでしょう。

あとは、これまでにこのコラムでもよく紹介してきましたが、食物繊維を意識して摂るようにしましょう。これも余計なコレステロールが体内に吸収されるのを防いでくれます。
またHDLコレステロールは食事だけでなく、喫煙と運動も関係しています。HDLコレステロールは、喫煙でも減ってしまうのです。

そして大切なのは体を動かすこと。
適度なエクササイズによってLDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やすこともできるのです。


皆さんにも馴染みのある「コレステロール」。
おそらく誤解していることも多かったのではないでしょうか。正しい知識を身につけて、ストレスにならない食事を上手に取り入れていただきたいものです。
 

著者プロフィール:川端理香(管理栄養士/プロスポーツ栄養士)
WATSONIA(ワトソニア)代表。日本オリンピック委員会強化スタッフ、チーフ管理栄養士として2004年アテネオリンピックでは水泳の北島康介選手や全日本女子バレーボールチームを、2008年北京オリンピックでは全日本男子バレーボールチームをサポート。浦和レッズや東京ヴェルディ1969などのJリーグサッカーチームや、個人選手の栄養・食事指導のほか、「カラダが喜ぶ毎日ごはん(エクサボディ)」「10日間カンタンバランスメニュー(エクサボディ)」「勝てるカラダをつくる!10代スポーツ選手の栄養と食事(大泉書店)」など書籍の監修、食育をテーマに学校や地域での講演・セミナーも行う。現在、東日本大震災復興支援の一環として「部活をする子どもたちを応援しようプロジェクト」で協力をよびかけている。 公式ブログ[Happy Foods]

 

 

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