おそらく皆さんが「ダイエットをして体脂肪を減らしたい」と思っているとき、皮下脂肪を落とすのか、内臓脂肪を落とすのか、そこまで意識されている方は少ないでしょう。
でもダイエットをして体脂肪を落とす場合、落ちやすいのは内臓脂肪です。
そう思うと、糖尿病の原因となる体脂肪は内臓脂肪の方ですから、食事や運動療法もがんばり甲斐があるのではないでしょうか。

では体脂肪を減らすにはどうしたら良いでしょうか？

体脂肪を落としたい選手たちによく説明するのですが、体脂肪は１gあたり７Kcalです。ということは、体脂肪１kg減らしたいときには、7,000Kcalを食事と運動で消費すればよいわけです。

例えば１日2,100Kcal摂っていた方が、１日1,600Kcalに減らした場合(１日-500Kcal)、このペースなら10日間で5,000Kcalを食事で減らす計算になります。残り2,000Kcalを運動で減らすとすると、１日-200Kcalなら10日間で-2,000Kcalですね。これで体脂肪を10日間で１kg減らすことができる計算になります。

糖尿病を気にされている方は、食事はもちろんですが、運動も意識されていることと思います。その際に注意していただきたいのは、食べないなど極端な食事制限をしながらの運動では、体がすぐに疲れてしまってせっかくの運動もしっかりできないため効率が悪いということです。またそのような食生活は長続きせず、リバウンドの原因にもなりかねません。


今回は皮下脂肪と内臓脂肪のふたつの脂肪についてお話させていただきました。糖尿病を気にされている方にとっては、体脂肪は意識していだきたいもののひとつ。しっかりとした脂肪の知識をもてば、意識の継続にもなるかと思います。

ぜひ意識していただきたいものです。
 

著者プロフィール：川端理香（管理栄養士/プロスポーツ栄養士）
WATSONIA（ワトソニア）代表。日本オリンピック委員会強化スタッフ、チーフ管理栄養士として2004年アテネオリンピックでは水泳の北島康介選手や全日本女子バレーボールチームを、2008年北京オリンピックでは全日本男子バレーボールチームをサポート。浦和レッズや東京ヴェルディ1969などのＪリーグサッカーチームや、個人選手の栄養・食事指導のほか、「カラダが喜ぶ毎日ごはん（エクサボディ）」「10日間カンタンバランスメニュー（エクサボディ）」「勝てるカラダをつくる！10代スポーツ選手の栄養と食事（大泉書店）」など書籍の監修、食育をテーマに学校や地域での講演・セミナーも行う。現在、東日本大震災復興支援の一環として「部活をする子どもたちを応援しようプロジェクト」で協力をよびかけている。 公式ブログ［Happy Foods］