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糖尿病の治療薬

-第21回 糖尿病治療薬の飲み合わせ-その7

保健機能食品(栄養機能食品)-ミネラルと糖尿病の関係

ミネラル

  亜鉛は、血糖値を低下させるホルモンであるインスリンに含まれています。ですから、亜鉛不足になるとインスリンを作ることができなくなってしまいます。また、すい臓からインスリンが分泌されるときや細胞が糖を取り込む際にも、亜鉛が重要な役割を果たしています。
糖尿病の症状を悪化させないためには、亜鉛不足にならないことが必要ですが、一度に多量に取り過ぎるのはよくありませんので、毎回の食事で効果的に補うことが重要です。
 
  食事からのカルシウム摂取量が不足すると、骨からカルシウムが引き出されて骨がもろくなります。また、このとき必要量以上のカルシウムが引き出されて血液中でカルシウムが過剰になると、カルシウムが血管壁に沈着して動脈硬化になりやすく、糖尿病合併症の進行を早めてしまいます。
また、カルシウムにはすい臓の細胞にはたらきかけてインスリンの分泌をうながす信号を送る役割があるので、不足するとインスリンが正常に分泌されなくなり、血液中のブドウ糖がうまくエネルギーに変換されません。その結果、血糖値が高くなり、その状態が慢性化すると糖尿病を発症します。
このことから糖尿病の対策のひとつとして、カルシウムを多く摂ることが挙げられています。ただしカルシウムの単独摂取ではあまり効果がなく、ビタミンDと一緒に摂取することで効果が高まることが分かってきています。
 
  マグネシウムは、健康維持に欠かすことのできない必須の栄養素で、マグネシウム不足が糖尿病発症とも深く関連していると考えられています。
近年の研究によると、マグネシウムの補充により、インスリン抵抗性(インスリンの効きが悪い状態)を改善して血糖コントロールが良くなったという報告や、マグネシウムの摂取量が多い群ほど糖尿病の発症率は有意に低かったという報告があります。


以上、今回は、栄養機能食品として認められているビタミン・ミネラルの中で、糖尿病と深く関わっている栄養成分に注目し、糖尿病との関係を見てみました。

ビタミン・ミネラルが、糖尿病にとって非常に重要なはたらきをしていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
ただし、前回も説明したように、栄養機能食品は1日の摂取目安量が定められていますし、中には多量に摂り過ぎることにより悪影響を及ぼすものもありますので、過剰摂取には十分にご注意ください。

次回は、一般食品と糖尿病治療薬との相互作用について具体的にみていきたいと思います。

 

著者プロフィール:木元 隆之(薬剤師)
1998年インクロムの提携医療機関に入職。約7年の治験コーディネーター(CRC)の経験を経て、現在、治験事務局長を務める。

 

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