[糖尿病・食事対策] 食べたもので体はできる!
-第10回 糖尿病とたばこの関係
一酸化炭素がヘモグロビンに結びつく力は、酸素の100倍!
たばこは何がダメなのでしょうか?
まず挙げられるのが、一酸化炭素。
たばこの煙は不完全燃焼によって出るのですが、その時に発生するのが一酸化炭素です。
普段は、呼吸によって身体に取り入れた酸素を運ぶヘモグロビンが、この一酸化炭素が入ってくると、酸素よりも200倍も強い力で結びついてしまいます。ですから、一酸化炭素が多くなると身体は酸欠状態になってしまうのです。
そうなると、身体は異変を感じてヘモグロビン(赤血球)を作ろうとし、結果、血液の中の成分バランスが崩れて血液の流れが悪くなることも考えられるのです。
また、たばこに含まれているニコチンも、一酸化炭素同様に血液の流れを悪くしてしまう物質です。中枢神経を刺激するので、心拍数を増加させたり、血圧を上げたりします。
選手の場合は、酸素が運ばれないことによってスタミナが低下するのが、たばこの悪影響の一番の問題点です。
走っているときに苦しくなってくると呼吸回数が多くなりますが、これは身体に酸素を取り込むため。でも喫煙している選手の場合は、それがうまくいかず、また血液の流れが悪くなってしまっているために、身体にうまく栄養分を運ぶことができないのです。
ですから、筋力トレーニングなどをして、身体を大きくしようと思っても、効率よく身体がつくられない、また疲労の原因にもなってしまうのです。
糖尿病の方の場合は、そもそも高血糖が続くことで血液がドロドロの状態で流れが悪くなり、血管障害が心配される状態です。そんな状態で、さらにたばこの一酸化炭素やニコチンで血流が悪くなると、虚血性心疾患などの命にかかわるような合併症を引き起こす可能性もあるのです。