[糖尿病・食事対策] 食べたもので体はできる!
-第11回 引き算・足し算・チェンジテクニック
引き算テクニック、足し算テクニック
まず、引き算テクニック。
これは実践している方も多い食べ方ですが、食べる量を減らすテクニックです。
血糖値を上げる糖質を多く含む、例えば主食のごはんの量を減らす、脂っこいおかずの量を半分にするなど、余計なものを引いていくというものです。サラダにかけるマヨネーズの量を少なくする、パンのバターを控える……などというのもそうです。
この引き算テクニックは、糖尿病を気にされている方やダイエット中の方が特に実践している食べ方で、一番とりかかりやすく無意識に実践されている方も多いテクニックだと思います。
実際にスポーツ選手の場合も、体脂肪を減らすなどしなければならなくなると、何も指導していなくても食事を減らします。
でも、ここで注意がひとつ。中にはまったく食べないという極端な引き算をしてしまう選手も時にはいますが、それでは身体がもちません。また極端な食事制限は、リバウンドの原因にもなります。
前述したように、例えば必要以上のバターやマーガリンなどの調味料を減らしたりすることはオススメです。糖質を多く含むごはんなどの主食を減らすことが必要な方もいらっしゃるでしょう。でも食物繊維の多い野菜やきのこ類など、引く必要のないものもあります。
引き算テクニックは、必要なものはしっかり取り入れて、余分なものや余計なものは引くこと。ただ減らせばよいと、何でも引いてしまわないように注意しましょう。
次は足し算テクニック。
これは糖尿病を気にされている方や、ダイエット中の方は、例えば知識があってもなかなか実践できない、少し勇気が必要なテクニックです。というのも「食べるものを足す」、つまり増やすからです。これは選手の場合も、何度も何度も指導しないとなかなか実践しません。食べる → エネルギー摂取量アップ → 太る というイメージがあるためです。
でも、このコラムを読んでくださっている方にはすでに実践している方もいらっしゃるかと思いますが、食事の一番初めに野菜など食物繊維の多いものを摂ると血糖値の上昇を防ぐことができます。ですから、ラーメンなどの単品だけを食べるよりも、そこにサラダを足す方が太りにくい食べ方になるわけです。また栄養のバランスもぐっとよくなります。
この足し算テクニックのコツは、パスタやうどんなどの糖質を多く含むメニューを単品で摂らないこと。野菜や海藻、きのこなどを使ったサラダやスープなどを取り入れるようにしたいものです。
そして注意したいことは、間違っても糖質や脂質を足さないこと!
例えば、うどんにおにぎりを足すとか、こってりのとんこつラーメンに脂質の高いチャーシューを足す……なんてことは絶対さけましょう。
足し算してよいものは、食物繊維が多く低カロリーの野菜や海藻、きのこなどや、高タンパク低脂肪の豆腐や納豆などの大豆製品や白身魚、えび、いか、ささみなど。もちろん油をひかえた調理法にするとか、ドレッシングなどの調味料も意識して、足し算テクニックをうまく取り入れていただきたいものです。