[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ
-第11回 上半身の安定性を保つ歩き方
丹田(たんでん)を締めて歩く
運動をするとき、丹田(たんでん)を締めると安定した動作ができると言われています。
丹田とは、下腹部のことで、ここを締めることによって、骨盤と背骨のぐらつきを止めることができます。
丹田を締めると、腹部側面にある深部の腹筋が収縮して腹腔内圧が上り背骨を前から支えることができます。逆に、丹田の力が抜けると腹筋が緩んで腹腔内圧が下がりますので、不安定な状態になるというわけです。
また、側面の腹筋の端は背筋に繋がっているので、腹筋が締まると背筋も引っ張られて締まりやすくなり、背骨を前後から支えて、脊柱全体が安定するのです。
セーフティウォーキングでは、特に接地足に上半身が乗り込むときに丹田を締めることを意識します。上半身をまっすぐに保つ歩行姿勢をつくることで、重力に対する体の軸が安定し、バランスのよい体に無理をかけない歩き方になるのです。
著者プロフィール:土井 龍雄(健康運動指導士/アスレチックトレーナー)
1975年大阪教育大学卒業。1975年より岸和田市立福祉総合センター、1980年よりダイナミックスポーツ医学研究所にてトレーナーとして勤務。2014年同顧問に就任。年間およそ2,000名にセーフティウォーキングを指導。
著書は「歩行寿命が延びる!セーフティウォーキング ― 脱・ロコモティブシンドローム ―」(三省堂)、「歩く人。長生きするには理由がある」(三省堂)。
東日本大震災で仮設住宅の高齢者が抱えるロコモへの対策をきっかけに開始した「歩く人。」プロジェクトに参画。この事業は2017年度(平成29年度)運動器の10年・日本賞を受賞。