[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ
-第71回 五十肩を防ぐ-その2
肩関節後面の筋力低下も五十肩を招く
MBLでの大谷翔平選手の活躍は、私たちの心を晴れやかにする明るい話題です。193cmとは思えない身のこなしでピッチャーとバッターを兼ねる身体能力はスーパーエクセレントです。
さて、「投げる」「打つ」は腕を使う動作ですが、腕の力だけでなく、下肢→体幹→肩甲骨→上肢へ順に力が伝達されることで、投球や打球に大きなパワーが生じます。
力が伝達される各部位では、パワーを逃がさないようにタイミングよく筋肉が働き、つなぎ目の関節を安定させています。
例えば、投球動作での肩関節では、肩甲骨から上肢にパワーが伝達されます。このとき、前回お伝えしたように、まず上腕骨が肩甲骨に上手く接合された状態であること。つぎに、上肢を振り下ろすときに働く肩前面の筋肉と上腕骨が前方にずれないように支える肩後面の筋肉が協調して働かねばならないこと。もし、肩後面の筋力が不十分な場合、肩関節が前方にずれを起こします。これではパワーが十分伝わらないだけでなく、投球傷害を起こします。
このようなことは、日常で腕を使う作業時などの肩関節にも起こります。肩関節後面の筋力は前面よりも弱く、また、あまり使われないために衰えやすい筋肉です。そこで今回は、五十肩を防ぐ―その2として、肩関節後面の筋力トレーニングをご紹介します。
このコラムを執筆中に大谷選手が右肘内側の靭帯を傷めたとのニュースが入ってきました。自身の血液からとった多血小板血漿(PRP)と体性幹細胞を患部に注射する再生治療を受けたようです。野球界の宝物が順調に回復することを祈ります。