Come On! 糖尿病教室
-第10回 セルフチェックで足切断を回避
糖尿病神経障害が進行すると、傷ができても痛みに気づかない
皆さんこんにちは(^O^)
糖尿病療養指導士(CDEJ)の小宮山です。
前回は、糖尿病3大合併症のひとつ『神経障害』のうち、末梢神経のひとつ『自律神経』についてお話をしました。今回も、ひきつづき神経障害のお話ですが、皆さんのとても大事な2本の足についての話です。
フットケアと糖尿病足病変
皆さんはフットケアという言葉をご存じでしょうか?
一般的には、足のネイルやかかとの角質除去など美容目的のフットサロンなどを思い浮かべるかもしれませんが、ここで言うフットケアとは、糖尿病足病変の早期発見のことです。
けがをすると痛みを感じます。しかし糖尿病神経障害が進行すると、感覚が低下して痛みを感じにくくなります。さらに糖尿病の動脈硬化の特徴として末梢から徐々に進行することから、足の先から動脈硬化が始まります。血管が細くなると、血流低下が起き、血液中の細菌と戦う感染防御の兵隊である白血球も少なくなります。
ここに感染が起こると、細菌と戦う力が低下しているため、傷が治りにくい、あるいは感染を起こしやすい(易感染性)状況が続きます。痛みに気づかず、また感染防御機能が低下しているため、傷はどんどんひどくなります。感染が骨まで達してしまうと、抗生剤では治療困難となり、足切断を余儀なくされます。これが糖尿病足病変の怖いところです。
足を守るため、足の血流低下を見る検査
こうした足切断を予防するため、足の状態を知る検査があります。末梢の血流低下を知るためには、血管の硬さや、上腕との血圧差を見たり、温度そのものを測る検査が有効です。
下肢の動脈硬化は、3層構造の動脈壁のうち中膜の石灰化が特徴です。そして足の血圧は、正常では上腕より2~3割高いため、血圧が上腕に比べて下がっている場合、血管が細くなって血液が流れて行っていないことが考えられます。また、血流が低下すると、足先が冷たくなり、いつも足が冷たいと感じるようになります。