Come On! 糖尿病教室
-第10回 セルフチェックで足切断を回避
足の冷感を訴えたGさん:(60歳・女性)の場合
Gさんは、2型糖尿病で通院中の患者さんです。HbA1cは9%~10%台(NGSP)で血糖がなかなか安定しないため、昨年から当院に紹介されてきた患者さんです。
糖尿病の合併症は、網膜症は単純性網膜症、腎障害1期。神経障害は、タッチテストでは感覚あり、アキレス腱反射検査(ATR)でも感覚ありですが、膝外腱反射検査(PTR)では反応がなく、神経障害ありと診断されました。
また、春頃から足のしびれと冷感を感じていて寒い時期はさほど気にしなかったものの、暖かくなっても足先の冷たさが続くので、診察の時に主治医に聞いてみることにしました。
主治医はGさんがもともと神経障害を合併していること、足の血管の動脈硬化が進んでいることを疑って検査をするように手配し、Gさんは数日後検査のため来院しました。
Gさん: おはようございます。
CDEJ: Gさん、おはようございます。今日は足の血圧の検査と温度を測る検査をします。あともうひとつ、当院では足の健康診断ということで、この検査で裸足になるときに足の写真を撮って、先生に報告していますので、最後に写真を撮っていきますね。
Gさん: はい、よろしくお願いします。
CDEJ: 特に冷たいのはどっちの足ですか?
Gさん: 左足が特に冷たくって。右足は靴が合わなかったみたいで、痛いのを無理してはいていたら、ちょっと腫れてきたんで、薬を塗ってるんですが……。ガーゼはとらなきゃだめですか?
CDEJ: 腫れてるっていうのは、怪我されているのですか?ちょっと見せてください。
Gさん: いや、痛くはないんだけど……。ちょっと皮がめくれて汚いから、恥ずかしくて先生には見せてないんですよ。
右のガーゼをとると、右足は腫れあがっていました。このように患者さんは、「汚い足を先生には見せられない、恥ずかしい」という気持ちから、足が痛くても先生や看護師に言えない場合があります。
私たちCDEJは、検査で裸足になったときに糖尿病の患者さんが包帯やガーゼなどされていると、「どうされたんですか?ちょっと見せてもらっていいですか?」と声をかけ、できるだけ見せてもらいます。こうすることで、足病変の早期発見・早期治療に繋がります。