Come On! 糖尿病教室
-第10回 セルフチェックで足切断を回避
あわや切断!ささいな靴ずれも、糖尿病神経障害の合併患者にはハイリスク
CDEJ: Gさん、次に足の温度を測りますので、座っていただけますか?まず膝から足首までと足首から先の2回に分けて温度を測ります。しばらくそのまま動かないでください。
サーモグラフィの結果は、右足に明らかな温度上昇と左足の甲の温度低下が見られました。
CDEJ: では、次に足の写真を撮っていきます。
観察していきながら写真を撮っていくと、サーモグラフィで温度上昇を認めた右足中指には潰瘍ができて傷が深くなっていました。また、周囲は炎症で腫れあがり、浸出液も出ていました。左足には潰瘍の跡があり、両側の足白癬(水虫)と両側の小指には爪白癬(爪の水虫)がありました。
CDEJ: Gさん、これは自分で処置をして傷が深くなってしまったせいで、潰瘍を作ってしまっています。すぐに処置が必要ですから、外来の先生に今から診てもらいましょう。
Gさん: そうですか……。まだ大丈夫ですか? 足を切らなくなっちゃったら困るわ……。
Gさんはサイズの合わない靴から靴ずれとなり、細菌感染症のひとつである蜂窩織炎(ほうかしきえん)を起こしていました。さらにそれを自己治療していたことで悪化させ、骨髄炎となってしまっていました。ただちに緊急入院、皮膚科にて薬物治療が行われた結果、無事潰瘍の改善に向かい退院となりました。幸い足切断は免れましたが、このような状態は足切断のハイリスク群だったといえます。
3ヵ月後の再診で、足はかなり改善していました。
CDEJ: Gさん、随分良くなりましたね。
Gさん: おかげさまで、足を切らずに済んで良かったです。これからは自分で毎日足をチェックして、何かあったらすぐに先生に相談します。
CDEJ: そうですね。気になることは遠慮せず何でも聞いてくださいね。