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糖尿病の治療薬

-第22回 糖尿病治療薬の飲み合わせ-その8

ゴーヤなどの緑黄色野菜と、糖尿病治療薬の飲み合わせは……

  ゴーヤの苦味成分のひとつである「チャランチン」は、ゴーヤから抽出された脂溶性の物質です。糖尿病治療薬のスルホニル尿素薬(SU薬)(第2回参照)のように、すい臓のβ細胞に働きかけてインスリンの分泌を促し、血糖値を下げる作用があると言われています。SU薬では作用が効きすぎて低血糖を起こすことがありますが、チャランチン単独ではその心配は必要ないことも分かってきているようです。
また、ゴーヤには「コロソリン酸」というインスリンに似たタンパク質の成分が含まれ、別名植物インスリンとも言われています。こちらもチャランチンと同様に通常のインスリン注射の場合は低血糖を起こすことがありますが、植物インスリンの場合は、その心配はないようです。コロソリン酸の作用に関しては、海外でも多くの臨床試験が行われ、その結果いずれもゴーヤが糖尿病に有効であることが報告されています。
 
  さやいんげんには、「α-アミラーゼインヒビター」と「トリプシンインヒビター」というたんぱく質を分解しにくくする成分が含まれています。α-アミラーゼインヒビターは食後の血糖値の急上昇を抑える働きがあります。これは、第5回のα-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)とよく似た作用です。また、トリプシンインヒビターはすい臓のβ細胞を増やし、インスリンの分泌を促進させる働きがあります。
 
  ブルーベリーの皮に含まれる色素の成分「アントシアニン」は、目に良いと知られています。このアントシアニンが糖尿病の発症リスクを低下させるという結果が、アメリカの大学で行われている糖尿病の研究チームによって発表されました。
また、ベリー類に含まれている「レスベラトロール」という成分には肥満抑制効果があり、血糖値の上昇を抑制するという研究報告も上がっています。
 

 

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