インスリン療法を知ろう!上手に使って血糖コントロールを改善
-第1回 インスリンとは?
インスリン療法は最も自然で確実な治療法
「インスリン療法は絶対に嫌」という人もいるかもしれません。
確かに、日に何度も自分で注射をするのは負担ですし、注射そのものに抵抗を感じる人もいるでしょう。
しかし、高血糖が続いてすい臓をくたくたに疲れさせてしまうよりは、外からインスリンを補うことによって疲れたすい臓を休めたほうが、良好な血糖コントロールを保つことができ、予後もよくなるといわれています。
インスリン療法によってすい臓の働きが回復したら、注射の回数を減らしたり、飲み薬だけの治療に戻したりできる可能性もあります。
インスリン療法の開始が遅れると、血糖値が高い状態のまま長く放置した分だけ、合併症は進行してしまうのです。
インスリン分泌が低下している人がインスリン注射を打つことは、視力の低下した人がコンタクトレンズを使うのと同じようなもの。人間が本来持っているインスリンを補う手段として、インスリン療法は自然な方法であり、かつ最も確実に血糖値を下げる治療法といえます。「注射は最後の治療手段だ」などと悲観する必要は決してありません。