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Come On! 糖尿病教室

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-第11回 糖尿病網膜症の悪化に注意

Hさんのようなケースでは、HbA1cは1ヵ月に0.5%ずつ下げる

Hさんのように、がんばり過ぎてかえって病状を悪化させるのは、とてもつらいことです。
私たちCDEJは常に、患者さんに正しい療養方法をお伝えして、今回のHさんのように合併症を悪化させてしまわないようにしています。

特に長期間放置された糖尿病、また若年症例では急激な血糖コントロール是正で網膜症が悪化することがあるので、注意を払いながら療養指導を行います。特に下記の2項目以上を有している症例に対しては短期間(6ヵ月以内)に急激な血糖是正(HbA1cが3.0%以上)を行うことは避けることになっています。

これらに当てはまるケースでは、HbA1cを1ヵ月に0.5%程度ずつのペースで下げるのが望ましいとされています。
Hさんにクリニックの医師が、焦らずゆっくり治していきましょうと説明していたのは、Hさんが比較的若い患者さんで、単純性網膜症ながら軟性白斑もあり、活動性がある網膜症であったため、急激な是正がよくないことを伝えたかったのだと思います。

今回のように患者さんには正しく伝わっていない場合もあります。この医師と患者さんの意思疎通ができているかの確認もCDEJの仕事です。開業医の中でも、糖尿病専門医ではCDEJが勤務している場合があります。CDEJのいない施設こそ、病院との病診連携をしっかりと行って、患者さんの情報をお互いに共有しておくことが大切です。

日常生活になくてはならない目。みなさんの大切な目を守るために、正しい知識での療養を心がけましょう。糖尿病と上手に長く付き合うために、穏やかな、そして緩やかな療養をお勧めします。
 

著者プロフィール:小宮山 恭弘(糖尿病療養指導士)
1988年 行岡医学技術専門学校臨床検査科卒業。2001年より大阪鉄道病院にて糖尿病療養指導士として勤務。2015年3月 大阪市立大学大学院 生活科学研究科卒業。博士(生活科学)。

 

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