Come On! 糖尿病教室
-第11回 糖尿病網膜症の悪化に注意
糖尿病網膜症
皆さんこんにちは(^O^)
糖尿病療養指導士(CDEJ)の小宮山です。
前回は、とても大事な2本の足を守るフットケアについてお話をしました。今回は神経障害のお話でも少し触れた、目のお話です。眼科で眼底カメラ検査を行うのは視能訓練士ですが、視能訓練士はそれほど数が多くはないので、検診などでの眼底カメラの検査は臨床検査技師が行っている場合が多いんです。
眼底カメラは、血管をそのまま見ることのできる唯一の検査であることから、動脈硬化になりやすい糖尿病患者さんにとって、とても大事な検査のひとつです。今日は糖尿病初心者の方に注意して欲しい『網膜症の悪化』に関するお話です。
糖尿病が原因で失明する人、年間に3,000人以上!
糖尿病3大合併症の1位は網膜症です。網膜症は進行により3期に分類されます。
網膜症の進行に関わる因子
糖尿病網膜症の発症や進行は、罹病期間と血糖コントロール状況に影響を受けます。
網膜症は、全体では1型の30%、2型の23%に見られ、男女差はありません。 罹病10~14年では1型の79%、2型の44%に見られます。
また血糖コントロールによっても、空腹時血糖が140mg/dL未満の血糖コントロールが良い群では、10年発症が20%に対し、血糖が140~199mg/dLのやや不良群では10年発症が50%、血糖200mg/dL以上の血糖コントロール不良群では10年発症率が70%と高値になります。
HbA1cで見ると、7%未満の群に比べ、7~8%で2倍のリスク、8~10%では3.5倍、10%以上では7.6倍になるという報告もあります。糖尿病が原因となって失明する患者さんは年間3,000人以上です。
網膜症の進行による失明を防ぐために
網膜症の進行を防ぐためには、血糖コントロールに加え、定期的な眼科受診が大切です。