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Come On! 糖尿病教室

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-第12回 妊娠と糖尿病の関係

過剰な「やせ願望」によるダイエットが、妊娠・出産にも悪影響

「1ヵ月に増えていいのは、1kgまで」「妊娠中の体重増加は7~10kgに抑えましょう」。つい最近まで、妊婦の体重制限は常識といってよいものでした。その根拠となっていたのは、妊娠中に太ると、産道に脂肪がついたり赤ちゃんが大きくなり過ぎたりして難産になりやすく、妊娠中毒症や妊娠糖尿病のリスクも高くなる、という理由からです。
しかし、もともと日本人女性はダイエット志向が強い傾向にあるため、妊娠中に太らないようにしすぎて起きるリスクについても意識しておくとよいでしょう。
 

日本で増加している低体重児

最近、出生時の体重が2,500g未満の赤ちゃん(低体重児)が増加していると問題になっています。やや古い統計になりますが、厚生労働省の統計によると、1993年に8万1288人だった低体重児は、2003年には10万2320人となり、10年間で2万1032人と増加の一途をたどり、全出生数に占める割合も、1993年の6.8%から2003年には9.1%と、明らかに増加しています。
 

低体重児の増加の背景にある、日本女性のダイエット「やせ願望」

日本の女性の「やせ願望」は根強く、若い女性の多くがダイエット経験者です。15歳~29歳の女性の約25%が、BMIが18.5以下のやせ型であるというデータが出ています。
朝食の欠食(何も食べない、あるいは、サプリメントや菓子などで済ませる)率は20代女性で23.6%、30代で12.7%にのぼっています。また、食事の内容をみても、ビタミンやミネラル、カルシウムなどの摂取や、エネルギー摂取が必要量を下回る女性も多くみられます。

低体重児を出産する確率は、妊娠前の体型がやせ型で、妊娠してからの体重の増加が7kg未満の場合に高いとされています。
わが国において、若い女性の「やせ志向」の高まりから、「妊娠中も太りたくない」と考える妊婦も増えているようです。こうした傾向や若い女性の喫煙率や飲酒率が上がっていること、体外受精など生殖医学の発展によって多胎妊娠が増えたことが低体重児増加の背景にあると見られています。

特に出産時の赤ちゃんの体重は、その後の発育や健康に大きな影響を与えます。低体重児は、栄養の摂取が上手に行えず、虚弱だったり、知能や運動能力の発達に問題が生じる場合もあります。また、成人になってから、糖尿病や高血圧症などの生活習慣病を発症しやすいとの研究報告もあります。

これから妊娠をお考えの皆さん、どうぞ正しい知識で健康な赤ちゃんを……(^^)
 

著者プロフィール:小宮山 恭弘(糖尿病療養指導士)
1988年 行岡医学技術専門学校臨床検査科卒業。2001年より大阪鉄道病院にて糖尿病療養指導士として勤務。2015年3月 大阪市立大学大学院 生活科学研究科卒業。博士(生活科学)。

 

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