インスリン療法を知ろう!上手に使って血糖コントロールを改善
-第3回 インスリン療法の実例
「血糖値が上がったのはだれの責任?」-責任インスリン
インスリン療法開始時のインスリンの投与量は、測定した体重1kgあたり1日0.2~0.3単位(8~12単位)とします。
投与量は20~30単位まで増量することもあり、「責任インスリン」で調節します。
この責任インスリンとは、測定した血糖値に最も影響するインスリン製剤を指します。インスリン療法では、注射したインスリン製剤の量がその後の血糖値の変動を決定づけます。
そこで、直前に投与したインスリン製剤を「責任インスリン」と呼び、その効果をみて、次に注射する投与量を決めるのが、責任インスリン方式です。
たとえば、強化インスリン療法をされている方が、昼食前に低血糖になったとします。すると、朝のインスリン投与量が多すぎたと考えて、次回から朝のインスリン投与量を少し減らします。
この場合、責任インスリンは朝の投与量ということになります。
このように、測定値の原因となった責任インスリンをもとに投与量を増減していきます。
通常は、同時に自己血糖測定を指導し、自宅で測定してもらうようにします。
次ページから、インスリン療法による治療例をあげてみます。