Come On! 糖尿病教室
-第16回 1型糖尿病、インスリン注射と低血糖
1型糖尿病と診断されたLさん(34歳・女性)のその後
1型糖尿病と診断され入院したLさんは、入院当初は「早く退院したい」「インスリン注射を打たずに治療したい」と突然の糖尿病の発症を受け入れることができませんでした。
インスリン自己注射や血糖自己測定を自分で行うことにも不安感が強く、看護師の介助の下で行っていましたが、入院5日目を過ぎたころから少しずつ落ち着き、手技の習得に意欲を見せ、将来の生活についても前向きに考えることができるようになってきました。
その後血糖コントロールが安定し、インスリン注射や自己血糖測定の手技も会得し、無事退院しました。退院後、定期診察に来院したLさんに採血室でお会いしました。
CDEJ: おはようございます、Lさん。どうですか?もうお仕事には行かれてるんですか?注射うまく打ててますか?血糖も測定できてます?
Lさん: はい、入院中はいろいろ励ましていただいて、ありがとうございました。上司に病気のことを話したら、「食べること以外は何も制限はないんだから、今まで通りがんばるように」とも言ってもらえて。注射も血糖測定もがんばっています。
CDEJ: そうですか、それはよかった。上司の方も言われたように、インスリンは必要ですが、それ以外は糖尿病でない方と何も変わらないんですよ。でも決して無理をせずに、がんばりすぎないように気をつけてくださいね。
Lさん: はい、がんばりすぎないようにします。
CDEJ: ……はい、採血は終わりました。次は検尿です。ところで、低血糖は起こしていないですか?
Lさん: 働き出す前には、朝食をあまり摂らないことがあって、お昼前に少しドキドキして冷や汗が出たり、お台所でフラッと倒れそうになったり……。あれは、血糖値が低かったのかなぁ?血糖値は測らなかったんですけど……。
CDEJ: そうですね。特に朝は忙しくて朝食を簡単に済ませがちなので、昼食は、あまりインスリン量を調整せずに、朝食と夕食にあわせて調整するほうがいいですね。
Lさん: 入院中、主治医の先生もお昼はあまりインスリン量を調整しないでねとおっしゃってました。
CDEJ: 低血糖かなと思ったら、測ってみるといいですよ。朝は忙しいから大変ですが。
Lさん: はい、不安なときには測ってみます。