Come On! 糖尿病教室
-第16回 1型糖尿病、インスリン注射と低血糖
インスリン注射の手技指導
1型糖尿病の治療にインスリン注射は不可欠です。
患者さんは、このインスリン注射の手技をきちんとマスターしないと、予想する血糖値から大きく外れることがあります。
例えば、注射を打ってすぐに抜いてしまった場合、インスリンがうまく注入できていないことがあります。そうするとインスリンの吸収が悪くなります。本来注射するべき皮下でなく血管内に注射針が届いてしまうと、吸収が速く効きすぎてしまいます。
また、同じところに注射を繰り返し打つことで、硬結(皮膚が硬くなる)ができると、針がきちんと刺さらないためインスリンが注入できず血糖値が下がらないことがあります。血糖値が下がらないからと自己判断で量を増やした結果、低血糖を起こすケースもあります。ですから、私たちCDEJは腹部周囲径測定や腹部の超音波検査の際などでお腹に硬結を発見した場合は、インスリンの注射の部位を変えるように指導しています。インスリン注射は、打つ部位によって、インスリンが効く時間(吸収される時間)に差がありますので、手技とともにこうした知識も指導しています。