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Come On! 糖尿病教室

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-第17回 強化インスリン療法と血糖自己測定

インスリンの働きとは。インスリン不足になると?

皆さんこんにちは(^O^)
糖尿病療養指導士(CDEJ)の小宮山です。
前回のお話は、『成人して1型糖尿病を発症したLさんのその後の療養指導』についてお話をしました。今回も1型糖尿病の療養に不可欠な、強化インスリン療法と血糖自己測定についてお話をしていきます。

まずはインスリンが私たちの体でどんな働きをしているのかということから見ていきましょう。
インスリンは、すい臓にあるランゲルハンス島のβ細胞で合成・分泌されるホルモンで、血糖を下げる働きのある唯一のホルモンです。人間は、ここ100年くらいの間に文明が発展し、今では食べ物に困らない生活を送っていますが、昔は狩猟や稲作など、食物の供給が十分ではない時代を長く経験してきました。従って血糖を上げる必要性はあったのですが、下げる必要はあまりなかったため、血糖を下げるという調整をするホルモンはインスリンだけで事足りていたからです。
では、インスリンはどのように血糖を下げる(消費する)のでしょうか。
 

インスリンの作用

1.細胞内にエネルギー源を取り込む
インスリンの大きな役目のひとつに、細胞にエネルギー源を取り込むという作用があります。インスリンにより、糖の取り込みが促進されるのは、肝臓、骨格筋、脂肪組織です。
糖分は常に体に必要なエネルギー源であり、特に脳や全身へ栄養分を乗せてめぐる赤血球では常に糖を必要としています。食事から得られる糖の約半分は、肝臓に貯蔵され、残りが血液中に入り、細胞や骨格筋などエネルギーの必要な臓器に供給されています。

2.肝臓でのグリコーゲン合成の促進と抑制(調節)
インスリンの働きは、食後と空腹時では作用が異なります。
空腹時、インスリンの基礎分泌が行われると、肝臓では、貯蔵したグリコーゲンを分解することによって、糖を作り出そうとします(血液中への糖の放出)。しかし食事で得られたグリコーゲンを使い果たすと、肝臓では、アミノ酸やグリセロールなどから糖を合成(糖新生)も行います。
血糖値が上がり過ぎないように糖新生を抑制する作用もあります。食後、血液中に十分に糖が流れているときには、すい臓からのインスリン追加分泌により肝臓での糖新生を抑えて血糖値が適正になるように調節する働きがあるのです。

インスリン不足になると

では、糖尿病でインスリン不足になると、体にはどんな影響があるのでしょうか。
インスリンが不足すると、細胞内に糖が取り入れられず血液中に残るため、血糖値が上昇します。そして血液中の糖をエネルギーとしてうまく利用できないために、体内は栄養失調状態となるのです。重症になると、食べても食べても体重は減少します。

また、糖をエネルギーとして利用できないと、代わりに脂肪細胞や筋肉内のたんぱく質が分解されます。このとき体に有害なケトン体が産生され、体内が酸性に傾くケトアシドーシス状態に陥ります。体がだるく、痩せてくる、そして体内の高血糖を薄めるために、水分を補給させようという作用から喉が渇き、大量の水分を摂取し、尿量が増えます。口渇、多飲、多尿、体重減少という糖尿病の典型的な症状はこのようにして引き起こされます。

 

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