[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ
-第27回 ウォーキングと減量
ウォーキングで肥りにくい体質に!
ウォーキングによる減量の計算法
運動による消費カロリーは、運動強度の指数であるMETs(メッツ)に時間と体重をかけて計算できます。1時間安静に座っている時の消費カロリーは1METs×1時間×体重です。これを基準に、いろいろな運動・身体活動の消費カロリーを求めます。ウォーキングの場合、運動強度は、普通速度(時速4km)の歩行は3METs、速歩(時速5km)での歩行は4METsです。
これを用いた消費カロリーの計算は簡単です。例えば、体重60kgの人が普通速度で1時間歩いた場合は、60kg×3METs×1時間=180kcalと計算します。10分間の場合は、60kg×3METs×1/6時間=30kcalです。
なお、体重1kgの減量には7,000kcalの運動が必要です。したがって、1ヵ月間で1kg減量する場合の1日分を計算すると、7,000kcal÷30日=約230kcalです。そのために普通速度のウォーキングがどのくらい必要かというと、体重60kgの人の場合で、230kcal÷30kcal=約80分間の普通歩行を、現在の歩行量に追加します。
ちなみに腹囲を1cm減らすには、体重1kgの減量とされています。毎月、ウエストが締まっていくのは楽しみですね。
肥るときは、毎日オーバーしたカロリーの積み重ねです。減量をするときはその逆で、毎日歩いた消費カロリーを引き算していきましょう。
歩くと、肥りにくい体質になる
1日に消費されるエネルギー構成は、基礎代謝、生活活動代謝、食事誘導性熱代謝です(図4)。基礎代謝は安静時にも消費されるエネルギー量、生活活動代謝は身体を動かすときに消費されるエネルギー量、食事誘導性熱代謝は食事を摂って消化吸収される時に消費されるエネルギー量です。
運動をすると生活活動代謝が増えるのですが、日頃から運動を行っていると身体が活性化して、運動をしていないときにも消費される基礎代謝量が増加します。つまり、運動習慣のある人は、運動習慣のない人と比べて、寝ているときも座っているときも消費エネルギーが多いのです。これが、歩くことによって肥りにくい体質になる理由です。