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[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ

[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ

-第27回 ウォーキングと減量

歩いて減量、より効果を上げるために

肥っている人は、歩き方に注意!

歩行時には、加速度がかかるため、着地足に体重の1.3倍~1.8倍の荷重が加わります。これは、これまでにご紹介したように歩き方によって変化します。肥っている人は、ご自身の足でこの荷重を受けるので、軽体重の人よりも注意が必要です。歩き始める前に、当コラムでも解説した滑らかな歩き方とストレッチ、筋トレをおさらいして、段階的に無理のないウォーキングを行いましょう。
 

いつ歩くのが安全で効果的?

歩行時のエネルギー源は糖と脂肪です。減量するには脂肪を燃焼させたいので、歩くタイミングが大切です。食後は、筋肉内のグリコーゲンが充填された上に血糖値が上昇しています。このタイミングで運動をすると使われるエネルギー源が糖に偏ってしまいます。
ですから食後2~3時間経って、血糖値が安定した時点でのウォーキングをお勧めします。ただし、空腹時の運動は気分が悪くなったり、寒気がしたりといった低血糖症状を起こす場合があるので注意してください。タイムリーに糖分補給できる飴や糖質ゼリーなどを携帯しておくとよいでしょう。

なお、糖尿病の方は、食後の急激な血糖上昇を抑制するために、食後30分頃からの運動が勧められています。また、血糖値のコントロール機能が低下しているため重篤な低血糖症になりやすいので、空腹時やコンディションが悪いときの運動は避けるのが原則です。


現代人は食事と間食で、空腹と無縁の生活を送っています。常に血糖値を高めているため、筋肉を動かすエネルギー源が糖に偏っています。しかし、糖は体内にある全エネルギー源の1%でしかありません。糖本来の役割は脳を動かすことです。そして、筋肉を動かす本来のエネルギー源は脂肪です。このメカニズムを身体が思い出すために、日々の生活の中で空腹感を感じる時間帯をつくってください。空腹でも脂肪をエネルギー源として運動できる身体を徐々に取り戻していただきたいと思います。

 

著者プロフィール:土井 龍雄(健康運動指導士/アスレチックトレーナー)
1975年大阪教育大学卒業。1975年より岸和田市立福祉総合センター、1980年よりダイナミックスポーツ医学研究所にてトレーナーとして勤務。2014年同顧問に就任。年間およそ2,000名にセーフティウォーキングを指導。
著書は「歩行寿命が延びる!セーフティウォーキング ― 脱・ロコモティブシンドローム ―」(三省堂)、「歩く人。長生きするには理由がある」(三省堂)。
東日本大震災で仮設住宅の高齢者が抱えるロコモへの対策をきっかけに開始した「歩く人。」プロジェクトに参画。この事業は2017年度(平成29年度)運動器の10年・日本賞を受賞。

 

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