[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ
-第32回 膝痛を防ぐ歩き方-その1
歩き方によって機械的ストレスは変化する
では、歩き方を変えることで膝関節にかかるストレスはどのくらい変わるでしょうか。
昨年、私たちが469名を対象に計測した加速度データでは、下向き加速度の平均値が体重の1.57倍で、最大値は2.01倍、最小値が1.22倍でした。
これは、歩き方によって約0.8倍の差があったことを示しています。例えば体重が60kgの場合、歩き方によって、(60kg×0.8=)48kgもの着地衝撃の差が生じるということです。
図2は、横軸が歩行速度(km/h)、縦軸に下向き加速度(G)をとっています。速度が速くなるに従って加速度は大きくなりますが、加速度は歩き方によって、赤色~黄色~青色の大小の幅があると考えられます。
加速度が大き過ぎて機械的ストレスが過剰になると膝関節を傷めるリスクは高くなり、逆に歩かないで機械的ストレスが不足すると関節機能は低下します。つまり、関節機能を保持するには、歩くことによる適度な機械的ストレスが必要ですが、関節を傷めないように滑らかな歩き方をすることが肝要です。