[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ
-第32回 膝痛を防ぐ歩き方-その1
歩行時、膝関節には体重の3~5倍の負荷がかかっている
ヒトの身体の中で、とくに傷みやすいところが2ヵ所あります。ひとつは、第30回でお伝えした腰、ふたつ目は、今回とりあげる膝関節です。
いずれも大きな負荷がかかるので、その機械的ストレスを和らげる構造になっています。腰は軟骨でできている椎間板、膝は関節軟骨がその担い手です。軟骨は水分を多く含んでいるため、負荷が加わった部分の水分が移動し、変形することで機械的ストレスを吸収しています。
軟骨内には血管が通っていないので、新陳代謝のための栄養分を浸透させるために、歩くことなどの機械的ストレスが必要です。しかし、そのストレスが強すぎると軟骨組織が壊れてしまいます。中年以降になると軟骨内の水分が減少するので、ストレスが強すぎないように歩き方への注意が必要です。
ある研究データによると、膝関節には、普通に歩く時には体重の2.8倍、速歩では4.4倍、階段下りでは4.9倍の負荷が加わることが示されています(図1)。