[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ
-第30回 腰痛を防ぐ歩き方-その1
椎間板には過重な負担がかかっている
ヒトは、立ったり、座ったりして生活しているので、腰(背骨の下部)には、いつも上半身の荷重がかかっています。背骨を横から見ると椎骨という臼型の骨が積み重なっていて、その間に椎間板という弾力性のある軟骨板が挟まっています(図1)。椎間板は背骨に加わる負担を吸収する役割をしているのですが、過重な負担を受けているためにとても傷みやすいところです。
さらに姿勢によって椎間板にかかる圧力は変わります(図2)。まっすぐに立っている姿勢は、寝ている姿勢の4~5倍の圧がかかっています。また、前屈したり、重りを持ったり、座ったりという姿勢は、さらに大きな圧が椎間板に加わることがわかります。
立っているとき、重力加速度(体重)が1.0Gかかっていますが、歩き出すと速度がついて、下向き加速度は1.3G~2.0Gに増加します。加速度が増すと着地衝撃が大きくなるので、椎間板への負担も増大します。歩くときの下向き加速度は、同じ速度であっても歩き方によって1.3Gにもなり、2.0Gにもなります。
今回は、加速度を小さくコントロールして、椎間板への負担を軽減する歩き方をご紹介します。