Come On! 糖尿病教室
-第25回 内臓脂肪より悪い!? 異所性脂肪
第3の脂肪、異所性脂肪って?
脂肪組織はその機能によって、体温調節に役立つ熱産生機能として働く褐色細胞と長期間の飢餓に備えて、エネルギーを貯蔵する白色細胞に分かれていることは第23回でも説明しました。白色細胞は分布により、皮下脂肪と内臓脂肪に大別されます。異所性脂肪とは、脂肪細胞以外の細胞内に蓄積した脂肪のことです。
過食や運動不足、高脂質食などが原因で、余剰なエネルギーを皮下脂肪に貯めこもうとします。この皮下脂肪の貯蔵には予備能力があり、女性には、女性ホルモンの分泌により、予備能も豊富にあります。しかし男性や閉経後の女性の場合は、予備能が制限されているため、余った脂肪は内臓脂肪に蓄積されることになります。
この内臓脂肪への蓄積もいよいよ満杯になると、蓄積しきれないエネルギーを肝臓・すい臓・骨格筋などに蓄積します。この“本来の貯蔵庫以外の臓器の細胞に蓄積する脂肪”、それが異所性脂肪です。