[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ
-第34回 膝痛を防ぐ歩き方-その3
注意!半月板を痛める、膝関節を捻じる歩き方
膝関節を捻じる歩き方は、半月板を傷めやすいので注意してほしい歩き方です。膝関節を捻じるとは、つまり、膝の向きとつま先の向きが同じ方向に向いていない外股歩きや内股歩きのことです。
図3の左側は、つま先が外側を向いて膝が内側を向く歩き方です。
脛骨が外側に回旋しているのに対して、大腿骨は内側に回旋します。体重がかかっているときの膝関節にこのような動きが加わると、半月板は圧迫された状態で捻じられることになります。
図3の中央は、つま先が内側を向いて膝は正面を向いている歩き方です。
今度は、脛骨が内側に回旋しているのに対して、大腿骨は固定されるので、やはり半月板は圧迫された状態で捻じられることになります。
半月板にこのような機械的ストレスが繰り返されると、摩耗して弱くなったところに裂け目が生じます。だんだんと裂け目が大きくなってくると、関節内で裂けた部分が挟まって関節がひっかかる症状が起こる場合もあります。
半月板に無理をかけないためには、図3右側のように、つま先と膝を同一方向(進行方向または、やや外側)へ向ける歩き方を心がけてください。
著者プロフィール:土井 龍雄(健康運動指導士/アスレチックトレーナー)
1975年大阪教育大学卒業。1975年より岸和田市立福祉総合センター、1980年よりダイナミックスポーツ医学研究所にてトレーナーとして勤務。2014年同顧問に就任。年間およそ2,000名にセーフティウォーキングを指導。
著書は「歩行寿命が延びる!セーフティウォーキング ― 脱・ロコモティブシンドローム ―」(三省堂)、「歩く人。長生きするには理由がある」(三省堂)。
東日本大震災で仮設住宅の高齢者が抱えるロコモへの対策をきっかけに開始した「歩く人。」プロジェクトに参画。この事業は2017年度(平成29年度)運動器の10年・日本賞を受賞。