糖尿病教育入院・体験記
-第9回 外食は要注意
教育入院8日目。外食はやっぱり高カロリー
外泊から戻り、教育入院もいよいよ佳境に入った(大袈裟かな)。入院も残すところあと3日だ。
今日は教育入院中、一番気合の入る日だ。
なぜかと言うと、退院後の治療方針の指標となる2回目の一日血糖の測定があることと、講義では「外食について」が予定されているからだ。
入院2日目に測定した1回目の一日血糖の結果が比較的良好だったことで、医師から「もしかすると薬物療法は行わず、食事療法・運動療法だけでいけるかもしれない」とは聞いていたが、今日の結果次第ではどう転ぶかはわからない。
とにかく、いまできることは、まだ達成していない一日の歩数20,000歩超えを達成すること、それしかない。
今日の講義の一発目は、非常に興味深く、そして聞くのが怖い「外食について」。
外食は、基本的に低コストでも満腹感を得られるように炭水化物や脂質が多いメニューが多く、さらに塩分が多いという糖尿病患者にとっては非常に厄介な問題である。
講義では種々のメニューの食品交換表を見せられ、そのたびに落ち込み……の連続だった。
特にフルコースでは、中華料理で約1,500Kcal、フランス料理ではなんと私の一日摂取カロリーに近い約1,800Kcalもあるという衝撃的な事実。
また、外食で食べていい量についても説明があった。お寿司なら10貫まで(回転寿司で5皿、え、それだけ?)、丼物や麺類は1品のみ(並でも若干カロリーオーバー、大盛りは厳禁)で済ませること、そしてかならず野菜類を組み合わせること。
巷でよくある丼物・ご飯ものとうどん、ラーメンとチャーハン・おにぎり、パスタとパンといった炭水化物同士の組み合わせはタブーであることも強調されていた。
……聞けば聞くほど悲しくなるような内容ばかりだった。
まとめると、外食のポイントは
①外食でバランスのよいメニューは困難なため、不足分・過剰分はそれ以外の食事で調整する
②できるだけ品数の多いメニューを選ぶ
③よく噛んでゆっくり食べる(食事療法の基本)
④表1(炭水化物)、表3(たんぱく質)、表6(野菜類)が揃っているメニューを選ぶ
⑤カロリーの目安は1日の1/3
⑥余分なものは残す
ということだ。
メニューの写真を見ると、ある程度カロリーや食品交換表の分類もわかるようになってきたので、①~⑤はある程度できるはずだが、一番の難敵は⑥だった。
自分で注文した料理を残すなんてことは、私の人生でありえなかったことだからだ。
私自身非常に気を使う性格で、注文したのに残したとなると、店側(特に料理人)に対して失礼に当たると考えてしまう。
もし私が反対の立場であれば、残った料理を見て、悲しみや憤りを感じるはずだ。
いまさらそんな性格は変えられないので、外食はできるだけ大勢で行って、皆で食べきれる量を注文するなどして、「余分なものは食べずに、かつ残さない」を実践することにしよう。