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糖尿病教育入院・体験記

-第7回 外泊の心得

外泊は退院後の生活の予行練習


このコラムは、医療機関に勤め糖尿病の知識が十分あるにもかかわらず、糖尿病教育入院に行くことになってしまった「もっち」こと私の体験記です。 (前回を読む)


糖尿病患者にとって、食事療法は運動療法と併せて必要不可欠なものです。「決められたカロリー内で栄養バランスよく」食べることは基本中の基本と言えます。しかし、経験を積まないと適切な献立をたてるのは難しく感じることでしょう。

また、食事に気をつけているつもりでも実際はカロリーにばかり気をとられ、「油を使った料理や肉料理を控えて、野菜・魚中心の食事であればOK」といった感じで、血糖値の早期上昇につながる炭水化物や果物の量や、調理方法・調味料まで考えている人はあまりいないかもしれません。

教育入院中に出される食事は、すべて前回紹介した食品交換表に基づいて、その日の食事の合計単位数が(患者ごとに)決められた単位になるように献立がたてられたものです。

入院中の食事は、献立名・材料名・数量・各食材の単位数が掲示されていますので、献立表の記入シートにそれを毎日書き写していきます。書き写すことで、実際に食べたものの素材ごとの量や料理の組み合わせの感覚をつかむ練習をしていると言えるでしょう。

教育入院スケジュールには2日間の外泊が組み込まれています。外泊中の食事は、基本的に患者自身で献立をたて、食事を作るのが自分ではなく家族に出されたものなら、それが自分自身に適した内容となっているか確認することになっています。教育入院中に学んだことがどれだけ理解できているか、また、頭で理解はしていても実際にその知識を実践に活かせるかが問われるというわけです。

自分の食べたいと思うものを食品交換表と照らし合わせて、どの食品区分が摂れて(または摂りすぎないか)、不足している食品区分がどれで、補うために何を食べるか、カロリーはどの程度なのかを確認して調節する。教育入院中の外泊の2日間は、いわば退院後の生活の中でも特に食事療法の予行演習とも言える大事なプログラムと言えるでしょう。

 

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