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糖尿病教育入院・体験記

-第11回 教育入院、修了

教育入院10日目。退院のときがきた

とうとう教育入院も最後の日だ。
入院する前から(!)早く終わらないかなと思っていたのが、今ではこの生活が結構快適に感じられ、終わるのが残念でさえある。入院中は仕事などのストレスがないため、余計にそう思うのかもしれない。

最終日は午前中で退院のため、講義もひとつだけだ。
最後とあって、今まで以上に真剣に講義を受けた。
講義は食事療法のまとめとして
①食事療法の必要性
②食品交換表の見方
③外食する際の注意点
などを中心とした、これまでの総括的な内容だった。
それにしても③については何度聞いても悲しくなるなぁ。

薬剤師という仕事柄、医師や薬剤師が行う講義は基礎知識として知っていたことが多かったが、栄養士による講義は、そのほとんどが初めて聞くもので新鮮だった。そして、今後の食生活に大きく係わってくるだけに一番真剣に受けた講義でもあり、非常に名残惜しい。

最後の講義を終え、しばらく時間があったので、最後の思い出にと病院内の散策に出かけた。

……が、帰ってきてびっくり。
実は教育入院を修了した証として、修了証が医師から配られるというイベントが予定されていたというのだ。

そんなことはまったく知らず、院内散策に出かけていた私の姿は当然ながら教育入院フロア内のどこにもない。職員の皆さんでずいぶんと捜されたらしい(結局見つからなかったので、修了証は看護師さんが預かってくれていた)。
……何という失態、あー恥ずかしい。

最後に教育入院でお世話になった方々からの挨拶があった。
皆さん本当にいい方ばかりで、糖尿病という疾患に対してまるで一緒に闘ってくれているような錯覚に陥るほど、熱心な指導を受けた。

「自分は糖尿病である」という自覚を持つことができ、そして糖尿病に関するいろいろな知識を得ることができた教育入院は、私の今後の人生に影響を及ぼす非常に重要な10日間であったことは間違いない。

恵まれた環境と熱心な担当者たち。本当に充実した教育入院だった。
また参加してもいいなあという気持ちと、決して「また」があってはならないという気持ちが混じり合う、少々複雑な気持ちで病院を出た。

見送ってくださった看護師さんや栄養士さんたちの想いに応えられるよう、これが最初で最後の教育入院にしなければ!
 

 

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