糖尿病教育入院・体験記
-第12回 教育入院から1年
教育入院から1年。食事・運動療法は意外と目標通りやれています
教育入院を終えて、およそ1年が過ぎた。
この1年を振り返り、当時立てた食事療法・運動療法の目標がどの程度守れているか自分なりに採点してみた。
食事療法で一番難しかったのはゆっくり噛んで食べることだった。この「ゆっくり噛む」というのは、夜食を控えるとか食事の量を制限することに比べたら簡単そうに見えるかもしれないが、実際はなかなか大変だった。
長年の早食いのクセが染みついているのか、「ゆっくり噛むぞ」と意識しないとできないのだ。考えごとなどしながら食べるとあっという間に一皿消えてしまっている。
それでも最初のころは意識して行っていたが、1、2ヵ月を過ぎても習慣化せず、いつの間にか疎かになってしまった。
また、退院後3ヵ月の時点で測定したHbA1c値の結果が良かったばっかりに、それが落とし穴となってしまった。「こんなに結果が良かったのだから、少しくらい羽目を外しても大丈夫か」という気持ちが芽生えて、つい夜食を摂ったり、外食時にバイキングや炭水化物ばかりのメニューを注文したりということも度々あった。
しかし、それでも教育入院前と違うのは、摂取カロリーや栄養分類(特に炭水化物量)の確認は確実に行っていたことや、やはり後ろめたい気持ちがあったおかげで、生活を軌道に戻すのもそう難しくはなかったことだ。
それに守れている項目もちゃんとあった。常に野菜から食べる、朝御飯は毎日欠かさない、摂取カロリーや栄養分類についてもたとえば昼食のカロリーや炭水化物量が多ければ夕食では控えるといった調整も一貫して行えていた。
一般的な糖尿病患者の食事療法としては、あまり十分とは言い切れない内容ではあるが、現時点では糖尿病に関する検査結果も安定しているため、過度のストレスがかかるほどの我慢をするよりも、たまに羽目を外しつつ、自制できているこの状態が継続できれば大丈夫だろう(と勝手に思っている)。もちろん、定期的に検査をして検査結果を観察しつつではあるが……。
運動療法に関しては、自分を褒めてやりたい。
退院した当初、エアロバイクは毎日30分程度だったが、物足りなさが募って今では60分が当たり前となっている。これはエアロバイクのメーター換算で700kcal以上消費にあたる。外食した日や休みの日などはさらに量を増やして、時には1,500kcalを超えたこともあった。
もちろん仕事で遅くなった日などできない日もあるが、そんな日はせいぜい週に1回あるかないかで、エアロバイクも腹筋や筋力トレーニングも、充実の一途を辿っている。
なにより心強いのは、夕食後にいつまでも寛いでいると、家族から「まだ運動せえへんの?」と監視が厳しいこと。おかげで今や夕食1時間後の運動は完全に習慣化されて、食事療法の不十分さを運動療法でカバーしているといったところだ。
ただし、今は体力も十分にあるからこの運動量を継続できているわけで、いずれ無理が生じるときが来るだろう。食事療法と運動療法のバランスや内容についても検討しなければならない日が、遅かれ早かれ来ることも忘れてはいない。