[糖尿病・食事対策] 食べたもので体はできる!
-第3回「腹八分目」のコツ
アスリート達も、オフ中の食事は「腹八分目」
私は日頃、スポーツ選手達に栄養・食事指導をしています。この指導の内容には、スポーツ選手に限らず、一般の方や、糖尿病を改善したい・予防したいと思っている皆さんにも取り組んでいただけるようなものがいくつもあります。
今回は、食べ方のコツについてお話します。
では「今日は何を食べましたか?」
スラスラと言うことができますか?これは第1回でもお話させていただいた、選手自身が食事をチェックする方法で、食事を意識する手段のひとつです。まずは、この「意識」があるかどうかが大切なのです(第1回参照)。
さて、この「意識」ができてきたら、次のステップです。
糖尿病の予防・改善には、食べ過ぎず活動量にあった腹八分目の量が薦められています。
「もう少し食べたいなあ」と思うあたりが腹八分目の感覚ですが、一度自分の適量(1日の摂取カロリー)を確認してみるとよいでしょう。
1日に必要なカロリーを知ろう!
この適量を知った上で、紙に書き出した食べた物を見てみると、「そんなに食べていないのに……」と思っていた方でも、食後にデザートを毎日食べていたとか、お砂糖たっぷりのコーヒーや清涼飲料水を意外にたくさん飲んでいたなど、気づくことがあります。
これまで私がみてきた方には、口がさみしいからと飴を食べている方がいらしたのですが、それで結構なカロリーを摂っていたこともありました。
選手の場合は、体脂肪を落として筋肉量をキープもしくはアップさせるために、それぞれの選手ごとに食事に配慮します。
選手の場合、競技にもよりますが、体脂肪率は5%~9%とだいたい一桁です。
ところがシーズンオフで長期の休みが入ると、体脂肪が増える傾向にあります。身体を動かすトレーニングをしないのに、トレーニング時と同等の量を食べてしまうことが原因です。選手によっては、きついトレーニングを行うと食べられなくなってしまい、身体を動かさない時期の方が食欲が出てしまう場合もあります。
また、オフになるとゆっくり寝ていたいとか、これまで整っていた生活のリズムが崩れるという選手もいます。そうなると、朝食を食べないとか、睡眠がしっかりとれないなどの問題がでてきます。
食事を抜くと1食分のカロリーがカットできるので良いのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これには落とし穴があります(理由は次ページでお話しします)。
こうしたことから、オフの間に体脂肪が増えてしまう選手は少なくありません。
そこで、オフ前の選手に、体脂肪を増やさないための食べ方を指導することがあります。
この食事方法が糖尿病の予防・回復に似ていますので、ぜひ参考にしていただければと思います。