「健康づくりのためにできるだけ大きな歩幅で歩く」という考えから無理に歩幅を伸ばして歩いている人をよく見かけます。

ところが、大きすぎる歩幅で歩くと上半身が遅れるので、着地足のブレーキングが強くなり、地面から大きな衝撃が加わります（図2）。
セーフティウォーキングでは、上半身が着地足にスムーズに乗り込める無理のない歩幅で歩くことをおすすめします。適度な歩幅で歩くと着地足が地面から受ける衝撃を小さくコントロールできるため、膝や腰への負担を減らすことができます。

このコラムをお読みの方には、ウォーキングをしている方やこれからはじめようという方も多いと思います。せっかく健康のために歩くのですから、足腰に負担をかけない正しい歩き方を身につけてみませんか。
 

著者プロフィール：土井 龍雄（健康運動指導士／アスレチックトレーナー）
1975年大阪教育大学卒業。1975年より岸和田市立福祉総合センター、1980年よりダイナミックスポーツ医学研究所にてトレーナーとして勤務。2014年同顧問に就任。年間およそ2,000名にセーフティウォーキングを指導。
著書は「歩行寿命が延びる！セーフティウォーキング ― 脱・ロコモティブシンドローム ―」(三省堂)、「歩く人。長生きするには理由がある」（三省堂）。
東日本大震災で仮設住宅の高齢者が抱えるロコモへの対策をきっかけに開始した「歩く人。」プロジェクトに参画。この事業は2017年度(平成29年度)運動器の10年・日本賞を受賞。