[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ
-第19回 足の機能を取り戻すウォーキングシューズ-その1
シューズ底のクッション性
足裏には、体重のかかり具合を感じ取る感覚受容器が片足に約7千個あります。この一つひとつの受容器は、約300mgの重さを感じ取ってくれるそうです。
私たちは、歩くとき、足裏に加わった荷重を感知して、その神経反射による反応で筋肉が働き、関節を動かして衝撃を和らげたり、バランスをとったりしています。
ですからシューズの底が厚すぎたり、軟らかすぎたりすると、この感覚受容器への荷重刺激が弱まったり、不明瞭になったりします。その結果、筋肉が十分働かなくなったり、バランスが崩れたりしてしまいます。
以上のような点を考えると、シューズの底は型くずれしない程度の硬さと弾力性があることが望ましく、厚さは、歩行時に強い衝撃を受けやすいかかと部分はやや厚く(1.5~2cm)、足部はその半分位が適度です。履き具合としては、足への荷重を感じて、バランスをとりやすい感覚を目安にしてください。
著者プロフィール:土井 龍雄(健康運動指導士/アスレチックトレーナー)
1975年大阪教育大学卒業。1975年より岸和田市立福祉総合センター、1980年よりダイナミックスポーツ医学研究所にてトレーナーとして勤務。2014年同顧問に就任。年間およそ2,000名にセーフティウォーキングを指導。
著書は「歩行寿命が延びる!セーフティウォーキング ― 脱・ロコモティブシンドローム ―」(三省堂)、「歩く人。長生きするには理由がある」(三省堂)。
東日本大震災で仮設住宅の高齢者が抱えるロコモへの対策をきっかけに開始した「歩く人。」プロジェクトに参画。この事業は2017年度(平成29年度)運動器の10年・日本賞を受賞。