[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ
-第21回 足の機能を取り戻すウォーキングシューズ-その3
インソールのサポートは程々に
先日、知人の鍼灸院の院長がおもしろいインソールを紹介してくれました。それは、一般的なものとは逆発想の形状でした。
一般に用いられているインソール(図1の左)は、足裏の凹んでいる部分を下から支えることを目的につくられています。とくに母趾球(親指の付け根)とかかとの間の土踏まずの部分が凸の形状になっています。
ところが、その紹介されたインソール(図1の右)は、この土踏まず部分は平坦で、逆に荷重時に支点となる母趾球と小趾球(小指の付け根)、かかとの3ヵ所がわずかに凸になっていました。早速、試し履きしてみたところ、一般的なものと比べて足指に力が入り、しっかり踏ん張れる感覚がありました。
ヒトの足裏を見ると、上述の3ヵ所は凸状(図2)です。また、これら3ヵ所を結ぶ部分は凹んでいて、それぞれがアーチ構造になっています。そのため、足に荷重を受けた時にアーチがたわみ、足指に力が入りやすくなるのです。
足にはウィンドラス機構(図3)という働きがあります。足指を反らせるとアーチが上がり、逆にアーチが下がると足指は戻ります。したがって、アーチのたわみを止めてしまうインソールは、この働きを制限してしまうのです。
今、ほとんどのウォーキングシューズのインソールは、土踏まずを下から支えるアーチサポート形状となっています。このようなインソールは、足を支える筋力が弱っている現代人には、ある程度必要と思われますが、高すぎるアーチサポートは、さらに足の機能を弱らせてしまいます。
インソールの土踏まず部分の高さの目安は、体重をかけた時に、アーチサポートが土踏まずを圧迫しない程度のものを選ぶといいでしょう。そして、足の筋力を高めるとともに、徐々にサポートを外していってください。