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[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ

[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ

-第28回 ウォーキングで動脈硬化を防ぐ

歩かないことが、致命的な病気を招く

一昨年から、岩手・宮城・福島の約250ヵ所の仮設住宅を訪問して、「ロコモティブシンドロームを防ぐウォーキングセミナー」を開催してきました。

ロコモティブシンドローム(以下ロコモ)とは、関節痛や腰痛に筋力低下などが加わって、「歩く」「立ち座り」といった日常生活動作に支障をきたす症候群です。

私たちのグループが行った調査では、仮設住宅の高齢者は他の地区と比べて、ロコモと判定される比率が約3倍でした。日常の生活活動を喪失して狭い仮設住宅に閉じこもることが、いかに歩く能力を失わせるかを示しています。

図1は、以前にも紹介した年代別有訴です。これを見ると、50歳代で関節痛が急増してワースト3に入って以降、腰痛・関節痛がどんどん増加していることがわかります。そして、図2の年代別通院疾患では、50歳代から高血圧が急増しています。
これは、ロコモの影響で歩きにくくなることで、歩行量が減少し血の巡りを停滞させて動脈硬化を起こしていることが一因であると考えられます。


     


また、図3の年代別死因疾患では、60歳代から心疾患と脳血管疾患が増加しています。これは、高血圧の終着駅となる冠動脈と脳血管の動脈硬化が原因になっています。
なお、近年、運動不足が一部の悪性新生物の一因であるというデータも示されています。歩かないでいることが致命的な病気を招いているわけです。


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