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[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ

[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ

-第28回 ウォーキングで動脈硬化を防ぐ

血流速度の変化が、動脈硬化を防ぐ

気仙沼の仮設住宅で、96歳のAさんとお会いしました。正常血圧で、しっかり歩ける非常にお元気な女性でした。これまでの生活習慣についてお聞きしたところ、長年、電気の検針と集金の仕事で、坂道の多い気仙沼の集落を歩き続けてきたそうです。もちろん、顔なじみが多く、あちらこちらでの会話も頻繁でした。

おそらく、「毎日起伏のある道を歩いて」、しかも「歩いたり止まったり」する変化に富んだ歩行運動が、動脈硬化を防いで血圧を正常に保つ要因になったと思われます。また、多くの顔なじみとのコミュニケーションと集金時のお金の計算も脳機能を維持向上するのに役立ったのではないでしょうか。

動脈血管は、図4に示すように、外側から、外膜・外弾性膜・中膜・内弾性膜・内皮細胞と5層構造になっています。
歩くことで筋活動が活発になると、酸素需要が高まって図5のAからBのように血管内を流れる血液量と血流速度が増加します。そうすると、血流が血管内皮細胞をこする「ズリ応力」が働いて血管内壁を掃除してくれます。
歩く速度や路面勾配を変化させたり、歩いて止まるを繰り返したりすると、このズリ応力が頻繁に作用します。
また、心臓から遠い位置にある動脈血管は、図6のAとBのように、拡張と収縮によって、血流をコントロールします。血流速度の変化は、血管のストレッチ体操にもなるわけです。

 

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