[糖尿病 運動] セーフティウォーキングのススメ
-第28回 ウォーキングで動脈硬化を防ぐ
血管のストレッチ! 血管を若く保つ、血流速度を変化させる歩き方
インターバル歩行
ヘルシンキオリンピックの陸上競技で活躍したザトペック選手が開発したインターバル走をウォーキングに応用した方法です。
遅い歩行と速歩を交互に反復します。遅い歩行は時速4km位、速歩は時速5~6km位です。それぞれの時間は速度に身体が慣れる3分位をめやすにします。
坂道や階段を利用した歩行
北欧で発祥したファルトレク走をウォーキングに応用した方法です。ファルトレク走は、地形の変化に富んだ野山を走ることでランニング負荷に変化をつけます。
日常のウォーキングでは、身近にある坂道や階段を利用します。上り坂や階段上りは、運動量が高まって血流速度と血流量が増しますので、平地と坂道・階段をいろいろ組み合わせて歩いてみましょう。
きつ過ぎる歩行に注意!
速歩や坂道上り、階段上りは、酸素需要が増して血流を盛んにするのがねらいです。しかし、きつ過ぎる運動は、健康を損ねたり心臓発作などの事故につながったりなどの危険性があります。ですから「少しきつい」と感じる程度をめやすにしてください。特に糖尿病や高血圧など持病のある方は、十分注意しましょう。
また、速歩や坂道下り、階段下りは、足腰への負担が強くなります。本コラムの第10回までで足腰に負担をかけない歩き方やストレッチ体操、坂道や階段歩行時の姿勢などを紹介していますので(セーフティウォーキングのススメ[コラム一覧])、負担を和らげる歩き方を心がけてください。
著者プロフィール:土井 龍雄(健康運動指導士/アスレチックトレーナー)
1975年大阪教育大学卒業。1975年より岸和田市立福祉総合センター、1980年よりダイナミックスポーツ医学研究所にてトレーナーとして勤務。2014年同顧問に就任。年間およそ2,000名にセーフティウォーキングを指導。
著書は「歩行寿命が延びる!セーフティウォーキング ― 脱・ロコモティブシンドローム ―」(三省堂)、「歩く人。長生きするには理由がある」(三省堂)。
東日本大震災で仮設住宅の高齢者が抱えるロコモへの対策をきっかけに開始した「歩く人。」プロジェクトに参画。この事業は2017年度(平成29年度)運動器の10年・日本賞を受賞。