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糖尿病の治療薬

-第7回 インスリン療法-その2

インスリン分泌動態

今回は前回につづいて、インスリン製剤について、その種類と特徴について具体的に説明していきます。

インスリン療法は、血糖値を下げるホルモンであるインスリンを外部から注射で補うことにより、できるかぎり正常なインスリン分泌動態に近づけることを目的とする治療法です。

第2回でインスリン分泌動態について、少し触れましたが、インスリン投与の基本を考える上で非常に重要になりますので、ここでちょっとおさらいしてみましょう。

インスリンの分泌には、血糖値を一定範囲内に保つように、常に分泌され続けている「基礎分泌」と、食事により血糖値が上昇することにより、急速に分泌される「追加分泌」があります。

健康な人の場合は、血糖値に応じて、インスリンが分泌され、血液中の糖のながれをうまくコントロールしています。
一方、1型糖尿病の人では、「基礎分泌」と「追加分泌」のどちらも分泌されません。2型糖尿病の人では、主に「追加分泌」が不足しており、分泌のタイミングも遅くなります。

このようにインスリン療法は、分泌されない、あるいは不足している「基礎分泌」と「追加分泌」をさまざまな種類のインスリン製剤で補充しながら、健康な人のインスリン分泌パターンにいかに近づけるかということが基本になります。

 

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